FTMとそのFTMのパートナーといわゆる普通の男女の異性愛のカップルの付き合いの満足度に違いはあるのだろうか?

その関係(付き合い)の満足度、性的満足、パートナーとのセックスのタイプの3つの側面から、この2つのグループの違いについてのベルギーからのレポート。

今までは、FTMとMTFとの関係(付き合い)の違いについての報告は多いが、FTMとそのパートナーとの関係(付き合い)についての情報は少ない。数少ない報告からだと、MTFの人たちの付き合いよりFTMの人たちのそれより、より安定した関係を築いているとされている。

FTMは、明らかに女性にパートナーを好む。また、解剖学的に似ているにも関わらず、異性愛として女性のパートナーとして関係を築いている。

MTFの人たちは、より異性愛(女性)を好むとして考えられている。23%~58%のMTFが女性に惹かれ、レズビアンの関係で結ばれるという。

FTMは、非常に女性らしい特徴を備えた女性、異性愛としての女性であるパートナーを好む。しかし、このこととは反対の傾向だとする他の報告もある。FTMは、女性であるパートナーに対して、過度に女性らしさを振る舞うことを期待していないし、そうあって欲しいと思わないのが理由らしい。

今回の対象とするFTMは、明らかな男性の性のタイプを示さなかった。このことは、FTMは、自分の女性の特徴を拒否する程度がMTFのそれより低いからだった。

FTMパートナーの疑問

FTMとFTMのそのパートナー(生物学的に女性)と普通の男女のカップルの関係(付き合い)の比較、特に、FTMのパートナーの視点から、性的関係の満足度、そして、付き合いの満足度の比較は?

FTMのパートナーは、生物学的な男性との付き合いと、生物学的な女性であるFTMの付き合いと同じぐらいの満足度があるのか?

FTMのパートナーである女性は、実際には、異性愛同士の付き合いの女性より、より女性らしいタイプなのか?

FTMのパートナーと異性愛の女性の特徴

付き合いが安定したFTMの9カップルで、同棲、結婚は問わない。FTMのすべてが、性別適合手術を終えてる(乳腺摘出;胸オペ、陰茎形成)。FTMは、解剖学的な男性の特徴を兼ね備え、社会的、普段の生活では男性として生きている。9名中2名は、勃起時のプロテーゼを陰茎には挿入していない。

FTMのパートナーは、異性愛である女性と比較対象とした(コントロール群)。年齢、教育レベル、パートナーと付き合っている期間を同じようにした。(生物学的女性は、18人)

年齢は、24~40才(平均31才)、同じ教育レベル10人、付き合い始めて短くして結婚6名、10年以上付き合って結婚したもの6名、5名のFTMのパートナーは、性別適合手術(SRS)前に付き合い始め、3人が性適合手術(SRS)後に付き合い始め、1名が治療途中に知り合っている。同棲、既婚の有無の条件は違ったが、FTMのパートナー、異性愛の女性の間には大きな違いはなかった。

異性愛としての女性だったときに、子どもを授けていたFTMの女性パートナーは5名いた。過去にGID同士のカップルが5名。子どもがいるFTMのパートナー3名は、いずれも直近に付き合っていた男性(生物学的に)との間に生まれている。

FTMの女性パートナー、異性愛女性の2グループの女性たちには、FTMのためのMMQテストの質問をしている。

 

以下、3つの項目の考察
FTMパートナー(彼女)が思っていること
①FTMパートナーの付き合い満足度
②FTMパートナーの性的満足度 
③FTMパートナーの性のタイプ(特徴)

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☞海外医学文献
The Female-to-Male Transsexual and His Female Partner Versus th Traditional Couple:A Comparison
Journal of Sex&Marital Therapy,34:429-438,2008