執筆者:性同一性障害(GID)学会認定医 大谷伸久
トランスジェンダーGID/FTM・MTFは、少数で頻度も低いけれど、彼らのホルモン治療は、医学の領域ではふつうのこととなってきた。ホルモン治療の情報は広まり、継続的な治療の情報とFTMのアンドロゲン治療の副作用などの情報が共有されつつある。

FTM治療の最近の知見

FTMのアンドロゲン治療は、特殊なことではなく、FTMにとってはふつうのことである。ホルモン治療のゴールは、女性の特徴を取り除くことと男性への導入である。

男性化の完成までには、約2年かかる。ホルモン治療、たいてい乳腺摘出(胸オペ)と卵巣・子宮摘出と後に続く。陰茎形成も考えるかもしれない。
胸オペのメリット、デメリット

手術後の性ホルモンの低下による、骨量の減少などの後遺症も関心事かもしれない。それに反して、初期に予期されることも関心事であろう。ホルモン治療の初期には、心血管系の病気の発生頻度は高くない。

ホルモンに関係したがんは、稀である。しかし、膣、子宮、残存した組織からの腫瘍が発生することもあると報告されている。乳がんは、大きな関心事で、乳腺摘出後でも残存した組織に認められることもある。アンドロゲンは、これらのがんにならないという安全性を担保するわけではない。
性同一性障害のホルモン治療による発生頻度

性別変更したことに後悔する報告はあまりない。

コメント
この文献は、オランダ発なので、トランスジェンダーGIDに関しての治療が一般的?になりつつあるのでしょう。日本では、普通の治療では少なくともありませんよね…。海外では、大学病院がGIDの治療を行っているところも多いようです。

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今回の海外医学文献は…
Management of female-to-male transgender persons: medical and surgical management, life expectancy.
Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes.2014 Jun;21(3):233-8.

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。

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