性同一性障害(GID)に関する診断とガイドライン第3版(日本精神神経学会の発行)は、思春期初期の治療に関しての記載がありませんでした。女性化、男性化のホルモン治療と外性器の手術は、18歳まで行わないように推奨されてきました。
一方、トランスジェンダーに対する世界基準の治療においては、特に12,13歳のターナーⅡ期の当事者には16歳まで二次性徴抑制治療を行うことを推奨し、それ以降は別姓のホルモン治療を行うことを推奨してきました。 実際に岡山大学で行われた181人の性同一性障害と診断されたMTFの平均年齢は15.6±4、FTMは12.5±4でホルモン治療を開始しました。いずれも、二次性徴終了前に治療を開始しています。
本来の期待しない性別の特徴にならないように、そして、二次性徴の発来を抑制します。 これらの治療は、自殺企図、うつ、登校拒否などを抑えることができるため、早くに胸オペや外性器の治療は、本人にとって望む性としてよい方向に働くこともできるとされています。
Adolescents with GID; reconsideration of the age limits for endocrine treatment & surgery Seishin shinkeigaku zasshi 2012;114(6):647-53
※現在、性同一性障害GIDのガイドラインは、第4版に改定されており、未成年の治療および二次性徴抑制治療にも言及しています。
未成年の治療、二次性徴抑制治療に関しては、別途掲載します。