背景:
男性、女性としての性の自認の程度は、人生において影響が大きいものである。性自認を特徴付けるものは、まだよくわかっていない。この研究は、性自認に影響する要素を明かすために、GID/MTFのように強く反対の性に感じる人々に焦点を当てた。
方法:
トランスジェンダーに関係する神経解剖学的な要素を調べるために、24人のGID/MTFと比較対象するためのコントロールの男性を対象にした。なお、GID/MTFは、まだ女性ホルモン治療していないものを対象としている。
結果:
左のパネル
コントロールの男性に比べ、GIDMTFの大脳皮質は厚い。コントロール男性は、色が薄いがGID/MTFでは、濃紺から薄いピンクを呈し、厚いことがわかる。そして、左のパネルでは、内側と外側の大脳皮質がコントロールの男性より有意に厚いことがわかる。灰色の部分は、コントロールの男性と変わらないが、その他の場所では厚いことがわかる。
考察:
このような比較したデータはなく、GID/MTFの大脳皮質が厚いことを明らかにした最初の研究である。しかしながら、以前のレポートには、トランスジェンダー(GID一般)でない男女の比較で、男性より女性の方が大脳皮質が厚いという報告がある。
GID/MTFの大脳皮質が厚いと言うことは、GID/MTFは男性に比べて、思うことや感じ方、行動なのが異なっていることを示唆している。また、右半球にも影響していることがわかった。被殻においては、通常統計学的には、右のみに反応があるとされているが、今回の研究では両側ともにコントロール男性群と異なっていた。
→FTM,MTFのホルモン治療における脳の変化
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海外医学文献
Increased Cortical Thickness in Male-to-Female Transsexualism
J Behav Brain Sci.2012 Aug;2(3):357-362.