執筆者:性同一性障害(GID)学会認定医 大谷伸久

胸オペを始めて知るひとが参考になるように説明します。

胸オペとは?

FTM、FTXの人たちが、男性ホルモン治療では得ることができない男性化のために、または、違和感を持つために胸を取ることです。

胸オペも性別適合手術の1つ

性別適合手術というと性別変更だけのために必ず受けなければならない子宮、卵巣摘出を思い浮かべるかもしれません。
本来の性とは自認していないFTM、FTXにとっては、自分のからだと性自認を一致させる点では、胸オペも性別適合手術の1つとして考えられています。どの手術をどの順番で行なうべきかについては自分で決めていきます。

男性化するためには、男性ホルモン治療だけでは限界

男性ホルモン治療をしても、胸が少し小さくなることはあっても、乳房の根本的な大きさにはほとんど影響がなく、胸を取らないことには根本的な解決策には至りません。
男性化するためにはホルモン治療は限界

なぜ胸を取るのか?

女性の象徴だから・・・

外見から乳房のふくらみが目立つ場合、女性と思われたりすることも多く、社会生活する上でハンディキャップを持つことがあります。

日常生活する上で苦痛だから・・・

それだけでなく、胸のふくらみがあることで、日常生活でそれが周りにばれないように、ナベシャツの装着もしなければいけません。

FTMのひとたちにとっては、男性化のためには男性ホルモン治療だけでなく、胸オペは性別違和を解消するにはとても有効な方法です。実際にFTXのひとたちも含めると、この胸オペのみを受ける人たちも多いです。

胸オペのメリット・デメリット

性別違和の治療の1つとして行われる胸オペは、男性ホルモン治療で戻せない症状があるように、変化を伴うという意味では、元に戻らないホルモン治療の症状と同じように本人、家族、カップルなどと検討する必要があります。

とは言っても、FTMの多くのひとたちが、アイデンティティの実現のため、そして、性別違和を緩和するために、男性ホルモン治療や胸オペが医学的に必要であることは明らかです。

胸オペで後悔するひといる?

女性から男性への身体的変化をできるだけ完全に進めていくことは、性別違和を解消する上でもきわめて効果的であることが証明されています。海外の研究によれば、FtM のひとたちのその満足度は 97%に達しており、後悔することは極めて稀です。

まとめ

自身にとってしっくりくるアイデンティティの実現、性役割やジェンダー表現の発見という点で、性別違和のあるひとたちの治療の選択肢はますます広がっています。

そして、手術をすることで、新しい性別、男性として生活しやすくなるため、そして、より男性としての実生活を体験することもできます。このように、男性的な胸を獲得することの他にも、日常生活において、いろいろなメリットがあると言えます。

胸を取ることが目的ではありません。男性としてより自信もつき、充実した生活ができることでしょう。
いつも読んでいただきありがとうございます。

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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。

ホルモン治療、手術についてわからないことなどありましたら、遠慮なく「お問合せ」からメールください。

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